日本を舞台にしている洋楽ミュージックビデオPart3です。
今回は2017年から2020年までのもの。昨今の世界情勢により、2020年以降日本で撮影されたMVは少なくなっています。
- Phoebe Bridgers – Kyoto(2020年)
- Squarepusher – Terminal Slam(2020年)
- Caravan Palace – Plume(2019年)
- Gwen Stefani – Harajuku Girls (Dance Video)(2019年)
- Clean Bandit – Solo feat. Demi Lovato(2018年)
- Shawn Mendes, Zedd – Lost In Japan(2018年)
- 5 Seconds Of Summer – Youngblood(2018年)
- Taylor Swift – End Game ft. Ed Sheeran, Future(2017年)
- Jonas Blue – We Could Go Back ft. Moelogo(2017年)
- まとめ
Phoebe Bridgers – Kyoto(2020年)
Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)のKyoto。
タイトル通り京都が舞台の曲です。折り合いの悪い父との関係を歌っています。
このMVは本来2020年3月に京都で撮影される予定だったのですが、時期が時期なだけにキャンセルされ、クロマキー合成を使ったものになりました。
VHS時代のような荒いチープな映像をバックに、骸骨の服を着たフィービーが歌うという謎の内容になっています(笑
エレクトロニックなサウンドが全盛のアメリカにおいて、こういったオーソドックスなバンドサウンドのシンガーソングライターが注目を集めるというのはいいですね。
Squarepusher – Terminal Slam(2020年)
Squarepusher(スクエアプッシャー)のTerminal SlamのMV。
個人的にスクエアプッシャーはファーストアルバムのころからのファンです。
ロケ地は渋谷。
ディレクターは映像作家の真鍋大度氏で、そのほかのスタッフも日本人なので、このMVは「外国人が持つ日本のイメージ」というのとはちょっと違う感じです。
Caravan Palace – Plume(2019年)
フレンチエレクトロバンド、Caravan Palace(キャラバン・パレス)のPlumeのMV。
ロケ地は前半が中目黒で後半は歌舞伎町。ロボットっぽい宇宙人の視界のディスプレイにも地名が表記されています。洋楽のMVで中目黒が登場するのはレアですね。
MVの途中でタッティング(フィンガータット)を披露しているのは、ダンサーのRYOGAさんとモリヒナさん。
Gwen Stefani – Harajuku Girls (Dance Video)(2019年)
2004年に発表されたGwen Stefani(グウェン・ステファニー)のHarajuku Girlsが、なぜか2019年にダンスビデオとなって帰ってきました。
振り付けは日本人ダンサーのYuki Murauchiさん。グウェン・ステファニーのバックダンサーも務めているようです。撮影は2019年で、場所はもちろん原宿。
Harajuku Girlsというのは、グウェン・ステファニーのバックダンサーだったアジア系の女性4人組のことで、上の映像にもあるようにHarajuku Girlsというタイトルの曲も作られました。
ただ、このHarajuku Girlsというのは物議を醸した存在でもあります。原宿ファッションに身を包んだ女性たちを起用し、日本のポップカルチャーをそのまま歌にしたグウェン・ステファニーは、文化の盗用(Cultural Appropriation)をしたのではないかと批判されたのです。
この問題は一筋縄ではいかないものであり、2021年の今もなおメディアに取り上げられ、グウェン・ステファニーもそれに対して反論を行なっています。
Clean Bandit – Solo feat. Demi Lovato(2018年)
Clean Bandit(クリーン・バンディット)feat. Demi Lovato(デミ・ロヴァート)のSoloのMV。
こちらはJapan Editionで、通常バージョンも存在します。
場所は動画の概要欄に書かれていますが、祇園、八坂、東福寺、東寺といった京都の名所。
0:46〜のシーンは、国宝である東福寺三門の内部で撮影されたものです。
Shawn Mendes, Zedd – Lost In Japan(2018年)
恋人であるCamila Cabello(カミラ・カベロ)とのコラボ、Señorita(セニョリータ)が大ヒットしたShawn Mendes(ショーン・メンデス)の2018年のシングルLost In Japan。
タイトルからわかるように、映画「ロスト・イン・トランスレーション(Lost In Translation)」を意識した、というかほとんどパロディのような内容になっています。
ロケ地は新宿歌舞伎町周辺と、渋谷スクランブル交差点です。
街の看板がすべてヘンテコな日本語に差し変わっています。「神経質な」「私の血で」「特定の味」などは、アルバム「Shawn Mendes」に収録されている「Nervous」「In My Blood」「Particular Taste」を直訳したものですね。
歌詞は、遠く離れた日本にいる恋人を想うものですが、MVから想像するほど日本がどうこうという内容ではないです。
5 Seconds Of Summer – Youngblood(2018年)
オーストラリアのロックバンド、5 Seconds Of Summer(5SOS)のYoungbloodのMV。
老齢の夫婦が不思議な薬の力で若いころに戻り、最期の時を楽しむというストーリーです。
男性はロックバンドJOHNNY PANDORAのボーカルの”JOHNNY”Daigoこと山下大悟さん。女性はロカビリーシンガーの青野美沙稀さん。
日本のロカビリー事情を追った「Tokyo Rockabilly」という山下大悟さんが出ている短編ドキュメンタリーがあるのですが、MVの監督はこれを観てインスパイアされたのかなと。
Taylor Swift – End Game ft. Ed Sheeran, Future(2017年)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト)ft. Ed Sheeran(エド・シーラン), Future(フューチャー)のEnd GameのMV。
マイアミ、東京、ロンドンの3パートから成り立っています。東京パートは1:26から。
撮影場所は新宿です。大定番の歌舞伎町&ロボットレストランのコンボ。
歌舞伎町の街並みにある看板は、歌詞に出てくる単語を日本語訳したものに差し変わっています。ガラスに反転して映る看板も差し替えるほどの念の入れようです。
ちなみにその中にある「メレディス」と「オリビア」というのは、猫好きで有名なテイラー・スウィフトの飼い猫の名前です。
Jonas Blue – We Could Go Back ft. Moelogo(2017年)
Jonas Blue(ジョナス・ブルー)ft. Moelogo(モロッゴ)のWe Could Go BackのMV。
日本人モデルの河内セリアさんが出演しています。
撮影場所は、東京駅前、国立代々木競技場、新宿スバルビル(解体済み)地下にある「新宿の目」の前、セレクトショップLOVELESSの店内、渋谷のキャットストリート、新宿西口のあたり、西武新宿駅前です。
まとめ
以上、日本が舞台の洋楽MVについてでした。
ここで紹介しているMVを観ていくと、外国人の日本に対するイメージ、というより、外国人が日本に「求める」イメージというのが浮かび上がってきます。
しかし今は「文化の盗用」や「ポリティカルコレクトネス」に厳しい時代になったので、外国の文化を特定の型にはめるような描写をすることは批判の対象になる可能性があります。もしかすると、日本を舞台にしたMVも今後はかなり気を遣った内容になるかもしれません。
そんな時代の変化について考えつつ、今後も日本が舞台のMVをチェックしていきたいと思います。
日本が舞台の洋楽MV集>>日本が舞台の洋楽MV Part1(1978〜2009)