マイクをパソコンに接続するにはオーディオインターフェイスという機材が必要です。
ここではボーカルレコーディングにおいてどのように使うか、またオススメのオーディオインターフェイスについて紹介していきます。
オーディオインターフェイスとはなにか
オーディオインターフェイスとは、パソコンとマイクやスピーカーといった外部音響機器の仲立ちをする機材のことです。
マイクはXLRという規格のケーブル(キャノンケーブル)を使用するのですが、当然パソコンにそれを受けるコネクターはありません。
オーディオインターフェイスをUSBなどでパソコンとつなぎ、オーディオインターフェイスに搭載されているXLR端子にマイクを接続することで、パソコン側に音声を入力することができるようになります。
ファンタム電源
コンデンサーマイクには電源が必要です。
電源といってもコンセントから直接ではなく、XLRケーブルを通じて電気を供給するファンタム電源を使います。
ほとんどのオーディオインターフェイスにはこのファンタム電源が付いているので、電源をオンにするだけでコンデンサーマイクが使用できます。
マイクプリアンプ
マイクから入力される音声信号はとても小さいため、それを持ち上げる必要があります。
オーディオインターフェイスにはマイクプリアンプが搭載されており、ゲイン(音を増幅するパラメーター)を上げることで適正なレベルで録音することができるようになります。
マイク入力以外にも活用できるオーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスにはマイク入力のほかに、オーディオ出力がついています。
これをスピーカーにつなぐことで、パソコンに入っている音楽を内蔵スピーカーではなく外部のスピーカーから出すことができるようになります。
また、オーディオインターフェイスにはたいていDAW(音楽制作ソフト)の機能限定版が付属しているので、レコーディング用にそれを使えるというのもメリットのひとつです。
USB端子付きマイクの場合はオーディオインターフェイスは必要なし
前回のマイク編でUSB端子付きのマイクを紹介したのですが、USB端子付きマイクというのはマイクの中にあらかじめオーディオインターフェイスが入っているようなものなので、ここで紹介するオーディオインターフェイスは必要ありません。必要ないというかそもそも接続ができないです。
ただUSBマイクというのはそれほど種類があるわけではないので、もしこの先USBではない一般的なマイクがほしくなったときには、結局オーディオインターフェイスを買うことになります。それを考えると、XLRケーブルでつなぐ通常のマイクとオーディオインターフェイスの組み合わせのほうが、拡張性や汎用性があっていいのかなと個人的には思います。もっともその辺は個々人の使用環境や目的によるところが大きいので一概にはいえませんが。
オススメのボーカルレコーディング用オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスはさまざまな種類があって値段もピンキリです。たくさん紹介するのもどうかと思うので、ボーカルレコーディング用としてずばりひとつだけ紹介します。
IXO12/STEINBERG(スタインバーグ)
→IXO12製品情報(STEINBERGのサイト)
音楽制作ソフト「Cubase」で有名な、STEINBERGのUSBオーディオインターフェイス「IXO(イグゾ)12」。
24bit/192kHz対応で、高品質なマイクプリアンプを搭載しています(ファンタム電源搭載)。
入出力は2in/2out。入力はマイクを接続するXLR端子と、エレキギターやベースを直接つなぐことができるフォーン端子の2つです。配信に役立つループバック機能も付いています。
WindowsとMac両対応で、iPad/iPhoneと接続することもできます。
バンドルソフトとしてCubase Ai(機能限定版のCubase)が付属しています。
オーディオドライバについて
パソコンでオーディオインターフェイスを使う際には、オーディオドライバと呼ばれるソフトが必要です。
最初に“オーディオインターフェイスとは、パソコンと外部音響機器の仲立ちをする機材のこと”と説明したのですが、オーディオドライバは、パソコンとオーディオインターフェイスを仲立ちするソフトのこと、といえます。
パソコンにはあらかじめ音声処理を管理するオーディオドライバが入っているのですが、これを音楽制作専用のものにすることによって、オーディオインターフェイスの性能をフルに発揮できるようになるというわけです。
音楽用オーディオドライバの代表的なものとしてASIO(アジオ)ドライバがあげられます。
このドライバを入れることで、レイテンシーと呼ばれる音声の遅延を解消したり、複数の音声入出力に対応できるようになります。
なんだか難しそう、と思うかもしれませんが、オーディオインターフェイス用に各社ドライバを用意しており、説明書の記載通りにインストール(付属CD、もしくはメーカーのサイトからダウンロード)するだけでOKです。
ちなみにMacの場合は、ASIOと同等の性能を持ったCore Audioというドライバがはじめから入っているので、ドライバのインストールをすることなくそのまま使えます。
音楽制作をするならMacで、と最近そんなに耳にしなくなりましたが、こういう部分がクリエイターに支持されているのだろうなと感じます。
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