4年ぶりにSTEINBERG Cubaseをアップデートして、Cubase Pro 8.5からCubase Pro 10.5にしてみました(パチパチパチ
おそっ!
って感じですね。
Cubase 10.5が出たのは2019年の11月のことですし(現在2020年10月)、その前にいまだに8.5を使ってたんかい、というのもあります。
しかも私がアップデートしたのは7月のことで、記事を書くのも遅いという。
本当は1年前に10にアップデートしようと思っていたのですが、Cubase30周年記念の半額セールに数時間乗り遅れて買い損ねたショックから立ち直れず(笑、1年後に訪れた40%オフセールでようやくアップデートしたというわけです。
これまで使っていた8.5は、現在私が使用しているMacOS Mojaveには対応していませんでした。インストールしたら普通に起動できたのでそのまま使っていたのですが、オーディオファイル読み込み時にウィンドウサイズを変更しようとすると余白だけが大きくなって肝心のファイルが見えなくなったり、試聴ができなかったり、時々正常にCubaseが終了できず強制終了しなければならなかったりと、いくつかの不具合が起きていました。
10.5にアップデートしたことで、ようやく安定した環境で曲作りができそうです。
今さら、10.5の新機能はこちら!、なんて記事を書いても意味がないので、今回は個人的にアップデートして思ったことについて書いてみることにします。
プロジェクトウィンドウが変わってる!
起動して最初に目についたのは、プロジェクトウィンドウの下に位置するエディターのゾーンです。
プロジェクトウィンドウ内のパートをクリックすると、別ウィンドウが立ち上がることなく、そこに内容が表示されるようになっています。
ほかのメーカーのDAWでもよく採用されているタイプの画面ですね。
こちらはCubase 9(2016年)かららしいので、今ごろそんな話をされても……と思う向きもあると思いますが。
「環境」→「エディター」→「ダブルクリック時にエディターをウィンドウで開く」で、今まで通りの使い方もできますが、この先もおそらくこれがスタンダードになると思うので、このまま使ってみることにしました。
使ってみて感じたのはその利便性の高さです。一画面内にシームレスにパート内容が表示されるので、編集がスムーズにできます。
ただ私の場合は27インチのモニターを使っているので画面に余裕があるのですが、ノートパソコンを使っている人はMIDI編集画面が狭くて使いづらく感じるかもしれません。
サンプラートラックなるものができてる!
トラックに「サンプラー」という項目ができていました。
オーディオサンプルやMIDIパートを画面下の「サンプラーコントロール」にドラッグ&ドロップするだけで、サンプリングができてしまうという優れものです。
昔はサンプリングCDに収録されている単音の楽器の音をハードのサンプラーに読み込んで、その音のピッチを変えてキーボードに割り当てて演奏する、なんていう使い方をしていましたが、サンプラートラックを使えばそれが簡単にできます。
まあ今はそんな使い方をする人はほとんどいないでしょうが……。
オーディオサンプルの音程を変えずに使うときでも、オーディオトラックで編集するより、サンプラートラックにオーディオサンプルを読み込んで、MIDIでコントロールしたほうが編集しやすい場合もあります。
たとえばスネアの連打があるようなドラムパターンでは、オーディオサンプルの長さを調整してオーディオトラックにペタペタと貼るよりも、サンプラートラックを使ってMIDIで打ち込むほうが楽だし、音質の調整も細かくできます。
まあサンプラートラックを使わずとも、ほかのメーカー製のソフトサンプラーで同じことはできるわけですが、Cubaseのプロジェクトウィンドウから直接扱えるというのは非常に便利です。
ちなみにこの機能もCubase 9に搭載されたもの。
4年前のものを今なぜか解説している私……。
オーディオエフェクトの数が倍増!
オーディオエフェクト(オーディオ Inserts)のスロット数が、8→16に倍増しました。
しかもCubase 8.5ではPre6+Post2の固定だったのですが、セパレーターを移動させることで、自由にその比率を変更できるようになりました。
ボーカルトラックやマスタートラックでエフェクトスロットの数が足りなくなることがたまにあったのですが、16個もあれば余裕を持って使えそうです。
この機能はCubase 9.5から搭載。
まだ現在に追いつかない……。
Cubase 10と10.5での変化は地味め
Cubase 10と10.5でどんな機能が追加されたのか調べてみましたが、オーディオ編集ツールのVariAudioが2から3にバージョンアップ、プラグインの充実とデザイン変更、サウンド素材の追加、操作性の向上、といった感じで、9にあったような大きな変更や機能追加はないようです。
DAWとしての完成形に近づいたということなのかもしれません。
個人的にはオーディオとMIDIが編集できて、使いやすいプラグインが充実していればそれでOKなので、だいぶ前に完成していたといってもいいくらいなのですが。
実際MacOS Mojaveに対応した8.5のアップデーターが出ていたら、10.5にアップデートしていなかった気がします。とはいえ古いバージョンの新しいOS用アップデーターなんて今はまず出ないですしね。
そんなことをいいながらもDAWの進化の恩恵にあずかっている立場なので、ここからさらなる進化を遂げるであろうCubaseをこの先もアップデートしながら使っていくつもりです。
ただメジャーアップデートのときは、これは買い替えざるを得ない! というような機能を追加してほしいです。4年もアップデートをスルーしていたやつが言うことかって感じですけども。
ちなみにこの記事の公開から1か月後、Cubase 11が発表されました(笑
あとがき
最後に気になる点をひとつ。
Cubase Pro 10.5のアイコンが微妙に大きいです。
MacのDockに置くと、ほかのものとのバランスがいまいち取れません。
8.5とマークのサイズは同じなのですが、まわりを白く囲っている分、大きくなってしまっているんですよね。
まあどうでもいいことではあるのですが。
Cubaseの最新版。また引き離されました。