エレクトロニックミュージックに関するニュースサイト「ELECTRONIC BEATS」に、「知っておくべき日本のテクノアルバムのクラシック15選」という記事が掲載されました。
今回は日本の名作テクノについて紹介します。
日本のテクノアルバムクラシック15選(by ELECTRONIC BEATS)
・TAKKYU ISHINO – BERLIN TRAX (KI/OON MUSIC 1998)
・FUMIYA TANAKA – UKNOWN POSSIBILITY VOL. 1 (TOREMA RECORDS 1997)
・KEN ISHII – JELLY TONES (R&S RECORDS 1995)
・EBI – ZEN (SPACE TEDDY 1994)
・REI HARAKAMI – UNREST (SUBLIME RECORDS 1997)
・DJ SHUFFLEMASTER – EXP (TRESOR RECORDS 2001)
・SUSUMU YOKOTA – THE FRANKFURT-TOKYO CONNECTION (HARTHOUSE 1993)
・KAITO – SPECIAL LIFE (KOMPAKT 2002)
・FLR – EASY FILTERS (REEL MUSIQ 2001)
・DJ WADA – ONE (SUBLIME RECORDS 2009)
・TAKAAKI ITOH – BOX EP (MAJESTY RECORDINGS 1999)
・AKIKO KIYAMA – 7 YEARS (DISTRICT OF CORRUPTION 2008)
・HIROAKI IIZUKA – JOURNEY THROUGH A BRAIN (SOLEIL RECORDS 2009)
・MATRIX – VARIOUS FILMS (CHAIN REACTION 2000)
・SHINICHI ATOBE – SHIP-SCOPE (CHAIN REACTION 2001)
私の好きなテクノアルバム
じつはワタクシかつてはテクノ大好き少年であり、自分なりの15選を載せようとCDラックをチェックしてみたのですが、意外と日本人アーティストのCDを持っていないことに気づきました(笑
当時は海外アーティストをメインで聴いていましたし(というかテクノを聴くとなると誰しも自然と海外偏重になるとは思いますが)、その後ドラムンベースやドリルンベース(懐かしい名称!)、NINJA TUNE系のアブストラクトなヒップホップやトリップホップに自分の興味が移行していったので、日本人テクノアーティストに関してはそこまでチェックしていなかったというのが本当のところです。
とはいえよく聴いた作品ももちろんあって、上であげられている「KEN ISHII – JELLY TONES」は、森本晃司が手がけた「EXTRA」のMVのCD-ROM付きの限定版がほしくて発売日に買った記憶があります。
というわけで自分が影響を受けた日本人テクノアーティストの作品をいくつか紹介していきます。
KEN ISHII – GARDEN ON THE PALM (R&S 1993)
ELECTRONIC BEATSでは「JELLY TONES」が選ばれていますが、個人的にはデビューアルバムの「GARDEN ON THE PALM」を推したいです。
ダンスフロア向けのものとは一線を画した内省的な色合いのあるサウンドで、かといって難解ではなく聴いていて楽しいポップ感もあわせもっています。
ケンイシイのあの特徴的な浮遊感のあるパッドはこのころからすでに健在で、今聴いてもまったく古びていないのがすごいです。
イギリスのテクノチャートでNo.1という実績を引っ提げ、逆輸入的な形で日本でも人気に火がつきました。
田中フミヤ – I am not a DJ (Sony 1995)
日本を代表するDJ、「テクノ番長」こと田中フミヤのファーストミックスCD。現在ドイツ在住と前にどこかで見たことがありますが、今も住んでいるのかはわかりません。
このアルバムで知ったテクノアーティストも多く、ここからテクノに関する知識がいろいろと広がっていきました。
DJによるミックスの妙というのを知ったのもこのアルバムからでした。
特にJeff Mills(ジェフ・ミルズ)の「Changes Of Life」からThe Sabres Of Paradise(セイバーズ・オブ・パラダイス)の「Duke Of Earlsfield」へのロングミックスが好きで、そこばかり何度も聴いていました。
あと、それまで電気グルーヴのサウンドに全然ピンと来ていなかったのですが、このミックスに収録されている「Dinosaur Tank」を聴いて、電気グルーヴかっこいいじゃん! と思った記憶があります。
CDの内容とは全然関係ないのですが、このCDのどこかに「アイ・アム・ア・ノット・ア・DJ」と記載されているところがあり、「ア」が1個多いぞ、とその誤植が当時気になっていて、それが記憶の片隅にずっと残っていたのですが、今改めてCDを見てみてもどこにもそんなことは書いておらず。
どこで見たんだろう……。
ナガイエリ – CAT WORSHIP (ACV 1996)
日本の女子高生が海外のテクノレーベルからデビュー、というニュースが当時テクノ界隈で話題になりました。
ドラムがRobert Armani(ロバート・アルマーニ)っぽい質感のハードテクノなのですが、実際スペシャルサンクスのところにRobert Armaniの名前がありました。
レーベルはイタリアのACV Recordsで、Robert Armaniもそこからリリースしていたのでつながりがあったんでしょうね、たぶん。
ハードでアシッドな曲調のものがメインですが、「デルタ Delta」や「アメリカ Amerika」といったピアノを使ったメロディアスなトラックもあります。
ところでRobert Armaniといえば「Circus Bells」という曲のHardfloor Remixが当時結構ヒットしていて、「The Best Of ROBERT ARMANI TRANCEMATIK」というアルバムに「Circus Bells Remix」というのが収録されていたのでこれだろうと思って買ってみたら全然違ったという悲しい経験があります(笑
いったい誰のリミックスだったんだろう……。セルフリミックスだったのかも。
テクノといえばクラブとの関係が深いですが、自分は高校まで地方に住んでいたので、テクノ好きといってもクラブ文化には全然触れることはなく、雑誌で情報を仕入れて比較的品ぞろえのいいショップでCDを買って家で聴くという感じでした。
そういう環境に長くいたせいか、大学から東京に出てクラブに行けるようになっても、0時をまわるころには家に帰りたくなるような、現場向きではない人間になってしまいました(笑
伝説のトラック「EXTRA」を含む、ケンイシイのセカンドアルバム。
推測ですけどテクノのアルバムとしてはかなりのヒットだったんじゃないかと思います。実際どれくらい売れたんだろう。