ゼロからわかるベースラインの作り方

ベースを録音する男性
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曲作りにおいて初心者の壁になるのがベースのつけ方です。

ドラムを打ち込んでコード進行とメロディーをのせる、そこまではなんとかできても、それにベースを合わせるとなると、どうしたらいいかわからず手が止まってしまう、という初心者の方もいると思います。

今回は、作曲初心者向けのベースラインの作り方の基本について解説します。

ベースのつけ方の基本のキ

ジャズベース

1. コードのルートを押さえる

ルートとはその名の通り、コードの一番下の音のことです。
コードがドミソのCならドになります。コード名のアルファベット=ルート音と覚えておけばわかりやすいですね。たとえばコードがE♭m7ならミのフラットといった感じで。

ベースの役割は低域を支えることと、コードのルート音をしっかりと提示することです。
動きのあるベースを作るときでも、ルートを意識するようにしましょう。

2. キック(バスドラム)と連動する

キックの動きに合わせてベースを配置することで、曲のボトムにまとまりを与え、ノリをよくすることができます。

ちなみにこれは基本ではあるものの、「しなければならない」という意味のものではありません。キックのないところにベースを入れても問題ないです。

ただ、ベースもキックも低音が強い音色で音域も近く、これがあまりにバラバラに動くとギクシャクとしたリズムになってしまいます。

ベースラインの実例

楽譜の読み方

楽譜の読み方

ベースは低音部のヘ音記号を使います。

基本の8ビートとキックと連動したベース

8ビートのベースパターン-1

基本としてあげた1と2を実践したベースラインです。
ビートはベーシックな8ビートで、コードはC→Am→Dm→G(イチロクニーゴー)の定番進行です。キーはCメジャー。
このシンプルな構成だと、ものすごく牧歌的な雰囲気になりますね(笑

各小節の最初の音は、譜面では付点4分音符になっていますが、実際は4分音符くらいの長さです。
ベースは音の長さによってノリがかなり変わります。曲調に合わせていろいろと試してみてください。

ベースにルート以外の音を加える

キックと連動し、ルートだけを押さえたベースは外れはないのですが、曲によっては単調に聴こえることもあります。
そこで4拍目にルート音以外の音を加えて、次の小節への流れを作ってみましょう。

5度の音を加える

8ビートのベースパターン-2

4拍目に5度の音を加えています。
5度というのは、簡単にいえば3和音の3番目の音のことです。ドミソならソですね。

3度の音を加える

8ビートのベースパターン-3

C→Am→Dm→Gのうち、AmとGの4拍目にコードの3度の音を加えたもの。3度というのはAm(ラドミ)ならドの音です。
ルート音と音程が近いため、次の小節への流れがスムーズに聴こえます。

16ビートのベースライン例

16ビートのベースパターン-1

キックの動きとベースのルート音を合わせ、4拍目で動かす定番パターンです。
コード進行はCm7→Gm7→A♭→B♭。

ベースを小節の前半から動かしてみる

16ビートのベースパターン-2

ファンクなノリのベースです。
小節の頭はルート音をしっかり提示し、そこからコードの音を拾ってベースを動かしています。

8小節目の最後にオカズ(フィルイン)フレーズを作り、次の小節に繋ぐというのはよく使われる手法です。
ベースの動かし方のコツは、コード感を押さえつつ、メロディーを作るような感じで上下に大きく細かく音程を変化させることです。

ロックのベースライン例

ロックのベースパターン

8ビートのベーシックなロックのベースラインです。コード進行はC→Am→Dm→G。
打ち込みで作る場合は、裏拍(2、4、6、8の音符)のベロシティを少し弱めて強弱をつけるとノリを出せます。

このベースラインで注目すべきは♯のついた音です。

Cメジャーキーで作られたこのコード進行のスケールからは外れているのですが、経過音として、次の小節への繋ぎに使っています。
ただし、経過音は多用するとくどくなるので使用には注意が必要です。

ハウスのベースライン例

ハウスのベースパターン

ハウスといってもバリエーションがたくさんあるのですが、最もシンプルでオーソドックスなベースラインを紹介します。
コード進行はFm→B♭→E♭。

ルートをオクターブで動かしただけのものですが、4つ打ちキックの裏に入ることでダンサブルなノリを生み出しています。
拍頭のベースを省略して裏拍のみにするパターンもよく使われます。

ロックのベースライン例で紹介した経過音をここでも使っています(最後の2音)。

プロの曲のベースの動きを意識する

ベースのつけ方を上達させるには、プロの曲のベースラインを意識して聴く、という方法が効果的です。
ボーカルや伴奏は頭から追い出して、ベースだけを耳で追っていくようにします。
イコライザーで低音を強めにして聴くとわかりやすいのでオススメです。

ピチカート・ファイヴの「悲しい歌」。ベースがうなりまくる曲です。

特に曲の終盤(3:06〜)で同じコード進行が続くパートがあるのですが、そこに出てくるベースラインが強烈です。ひとつとして同じフレーズがないベースラインが、メロディアスに鳴り響いています。

残念ながらMVでは最後がフェイドアウトしています。アルバム「Romantique’96」に収録されているバージョンでは、約1分半にも及ぶ、アイディア満載のベースラインを堪能することができます。

コロムビアミュージックエンタテインメント

まとめ

ベースをつけるといってもなにをどうしたらいいかわからないという初心者の方は、まずはコードのルートの音を押さえ、ドラムのキックの動きに合わせるところからはじめてみましょう。
そこからちょっとずつ動きをつけていくことで、自分なりのベースラインの作り方のコツが身につくはずです。

ベース音源の決定版。ベースのクオリティを上げたい人にオススメ。