バッテリーが膨張してカバーが浮いてきてしまった「HP Spectre 13-4100 x360(モデル名:HP Spectre 13-4129TU x360)」。
そのバッテリーを外して、電源から直で動かしてみました。
なぜこんなことになったのか、その経緯については記事の後半に書いてあるので、興味がある方は見てください。
膨張したバッテリー

パンパンに膨らんだ本体ケース
この状態でも普通に使えていました
水平状態と比べるまでもなく、タッチパッド周辺が異様に盛り上がっているのがわかると思います。

バッテリーが膨らみすぎて隙間が……
バッテリー膨張の圧力で、カバーに隙間ができています。
ノートパソコンのカバーは爪でしっかり留められているのに、それが外れるほどの膨張度合いです。

当然ちゃんと閉じるわけもなく
HP Spectre13-4100×360のバッテリーを外してみた
Windowsのバックアップ
作業前に、パソコンのデータをバックアップしておきます。
Windows10には「システムイメージの作成」という機能があるので、それを使ってドライブ丸ごとバックアップするのが一番手っ取り早いです(外付けHDDが必要)。
私はそれに加えて、大事なデータをUSBメモリーに個別にコピーしておきました。
カバーを外す
バッテリーが爆発したらどうしよう、と不安になり、手袋とメガネをかけて作業しました(笑
まずは電源を抜いたSpectre13をひっくり返して、8箇所のネジを外します。
ネジはトルクスのT5です。

ネジを8箇所外す
右上と左上の2箇所だけ長いネジ
トルクスはパソコン関係でよく使われるネジで、以前ハードディスクを分解したときは、たしかT3かT4を使った記憶があります。
ちなみに私が使っているのは高儀のドライバーセットです。その都度必要なトルクスドライバーを買うよりも、こういうセットをひとつ買っておいたほうが手間がかからず便利です。
ノートパソコンのカバーを外すとき、ケースの爪ががっちり噛んでいてなかなか外せないときがあるのですが、今回はそんな面倒なこともなくあっさり外せました。
なんせネジをちょっと緩めたら、ポンッとネジが上に弾け飛んで、背面カバーがパカッと開きましたからね。なんら力を加えることもなく、勝手に外れてくれた感じです(笑

自動的に外れた背面カバー
バッテリーを外す
カバーを開けたら、最初にバッテリーの電源コネクトを外します。
指の爪を引っかけてクイッと引けば簡単に外れます。

右上にある電源コネクトを外す

電源コネクトは意外と簡単に外せます
次に、バッテリーを留めているネジを5箇所外します。こちらはプラスドライバーです。
高儀のドライバーセットだと「CR-V PH00」と書いてある小さいプラスドライバーが合いました。

バッテリーを留めているネジを外す

本体と取り外したバッテリー
一番右のネジとバッテリーをつなぐところが、バッテリーが膨らみすぎたせいでちぎれていました
このパソコンのいいところとして、バッテリーへのアクセスのよさが上げられます。カバーを開けるだけで、他のパーツの干渉もなくバッテリーだけを取り外せます。
まあ、そもそもバッテリーを自分で外すようなことにならないのが一番なのですが……。
ケースを閉じて起動確認
バッテリーを交換する場合は、外すときと逆の作業をすればOKです。
今回は交換せずにバッテリーなしで運用するつもりなので、このままカバーを閉じます。

カバーをヒンジ側に押し込んでから閉じます
カバーを閉じる作業中にトラブル発生。
トルクスネジが一本、完全に潰れ、なめてしまって外せなくなりました。もう開けることもなさそうだしいいか……。
これから作業をしようとしている方はご注意ください。
長期間、バッテリーの膨張で歪んだままになっていたカバーが元に戻らなかったらどうしよう、と思ったのですが、カバーはなにもせずとも元の形に戻り、ちゃんとはめ直すことができました(Yatta!

歪みも元通りに
これまでと形が違いすぎてびっくりです。こんなに薄かったのかと。
ぺったんこすぎて、逆に窪んでいるかのような錯覚さえ覚えます(笑

ぺったんこ!

ぴったり閉じる!
本体を電源につないで、起動ボタンを押します。
緊張の一瞬。

無事起動
一瞬BIOSの画面っぽいものが出て焦りましたが、自動的にいつもの起動画面に切り替わりました。よかった!

タスクバーのバッテリーのところが×に
バッテリー膨張とその後の経緯
2017年1月に購入したHP Spectre 13-4100 x360(モデル名:HP Spectre 13-4129TU x360)。
購入後2年(くらいかな?)が過ぎたころから、本体が妙にグラグラすることに気づきました。
最初はデスクが歪んでいるのかなと思ったのですが、調べてみると、歪んでいるのはノートパソコン本体のほうでした。
そう、パソコン内部のバッテリーが膨張して本体を歪めていたのです。
普通ならそこでなんらかの手を打つわけですが、問題を先送りにすることに定評がある私は、まあもう少し様子を見るか、とそのままにすることに。
HPのサイトにも以下のようなことが書いてあったんですよね。
リチウムイオンポリマーバッテリのセル内部では、劣化に伴い、電解質が酸化しガスが発生します。そのため、バッテリセルが寿命に近づくと、バッテリパックが膨らむ場合があります(バッテリパックは、コーティングされており、外部にガスが漏れることはありません)。これはリチウムイオンポリマーバッテリの特性で安全上の問題はありません。
そっか、安全ならよかった、と思ったのですが、続けてこう書いてありました。
膨張したバッテリパックは、使用を中止し、速やかに新品のバッテリパックと交換してください。
寿命に至ったバッテリパックを継続して、本体に装着し続けることは、本体の故障の原因になる場合がありますのでご注意ください。
結局安全なのか安全じゃないのかどっちなんだい、という感じなのですが、その当時、というか今もなんですが、MacをメインにしていてHPのほうはほとんど使っていなかったので、バッテリー自体に安全上の問題がないならそれでいいかなと、手をつけることはありませんでした。
しかし半年くらい前(いや、1年くらいたったかも)、ついに来るべきところまで来てしまいました。
バッテリーが膨らみすぎて、カバーに隙間ができはじめたのです。
さすがにバッテリー交換するか、と以前から目をつけていたNOTEPARTSのHP Spectre 13-4100 x360用バッテリーをチェックしたのですが、すでにどこも売り切れ。Amazonで探してもよく知らない中国メーカーが販売するものしか見当たりません。
個人的に最近の中国メーカーは、Ankerなどのメジャーなところではなくてもそこまで悪くはないと思っているのですが、さすがに内蔵するバッテリーを、よく知らない中国メーカー製にするのは抵抗があります。
追記: NOTEPARTSの交換用バッテリーが復活していました↓
HP公式で内蔵バッテリー有償交換サービスをやっているのですが、29,700円(税込)と結構な価格の上に、バッテリー膨張で外装に影響が出ている場合はその値段は適用されないとのこと(←これもどうかと思います)。
どうしようかなと思っていたところ、「Tabletまっくす」というお店でバッテリーの交換をしているという情報をゲット。25,800円かかりますが、HPよりも安いです。

※25.4.22現在、楽天のほうは改装中らしく、Yahooショッピングのほうで購入できます。
そして実際にバッテリーを外して使っているわけですが、今のところまったく問題なく使えています。
新しいバッテリーを入れたところで、いずれまた膨張の問題が起こりそうですし、売るにしてもWindows11も入れられないこのノートパソコンはたいして需要もなさそうです。
だったらもうこのままの状態で、使えるところまで使おうかな、と思っています。
あとがき
バッテリーの膨張以外にも、このHPのノートパソコンには過去にさまざまなトラブルがありました。
まず届いた段階で、ケースの手前の部分に傷が付いていていきなり交換することに。
その後、新しいのが届いて使いはじめたのですが、しょっちゅう固まって使いものにならず。HPに修理に出したところ、マザーボードに異常があるとのことでした。
これまで電気製品において初期不良というものにあたったことがなかったので、もうこの時点で結構ウンザリしてしまいました。
さらにこのノートパソコンのオーディオドライバに、キーロガーが組み込まれているという不具合(?)も見つかり、もう勘弁してくれという事態に。どう対処したのか覚えていませんが、当時いろいろと調べた記憶はあるので、おそらく自分でなんらかの対処はしたのだろうと思います。
そして今回のバッテリーの膨張。
パソコンはガワのかっこよさだけで選んじゃダメですね……。