【レビュー】DTM用にMac mini(2024・M4)を買ってみた

Mac mini(M4・2024)でDTM!
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2024年の年末に、新しくMac miniを購入しました!(パチパチ
これまで使っていた旧Mac miniは2019年2月に買ったので、およそ6年ぶりの買い替えとなります。

前回購入した時に書いた記事が以下になります。

この記事を踏襲して今回も同じタイトルにしてみたわけですが、実際はDTM用に買ったというか、ある日突然Mac miniの電源が入らなくなり、もう何もできなくなってしまったので、しかたなく新しいものを購入しただけです。
電源を長押ししても、デバイスをすべて外しても、電源ケーブルを別のものに交換しても、分解清掃しても、もう何をやってもうんともすんともいいませんでした(涙

注文が立て込んでいたらしく、ポチってから届くまで約2週間。長かった……。図らずもクリスマスイブに届きました。メリークリスマス。

Mac mini 2024のスペック

Mac mini(2024)

今回購入したMac miniのスペックは以下の通りです。

・Mac mini(2024)
・プロセッサ:Apple M4(10コアCPU、10コアGPU、16コアNeural Engine搭載)
・メモリ :24GBユニファイドメモリ
・SSD:1TB SSDストレージ

価格は184,800円(税込)。はたしてこれは高いのか安いのか……。
SSDを512GBにして安く済ませる手もあったのですが、余裕を持って使いたかったので1TBにしました。
プロセッサはM4を選択。M4 Proもちらっと頭をよぎったものの、DTMや、フルHDでの動画制作なら無印M4で問題ないかなと。

ちなみに旧Mac miniのスペックはこちらです。これが180,144円だったことを考えると今回のは安いかも。

・Mac mini(2018)
・プロセッサ:3GHz Intel Core i5(6コア)
・メモリ :16GB 2667MHz DDR4
・SSD:512GB
・グラフィックス:Intel UHD Graphics 630 1536MB

Appleがインテル製のCPUから自社開発のM1チップに切り替えた時点(2020年)で、かなり性能が向上したと言われていますが、今回のモデルはそこからさらに進んだM4です。どれだけ速くなったのか期待が高まります。

新旧を比べた時に最もインパクトを感じるのはサイズ。2024バージョンは本当に小さいです。鷲づかみできます。
色も黒からシルバーになったので、個人的に部屋の雰囲気に合うようになってよかったです。

前面(上)、背面(下)

ポートの数は、背面にThunderbolt 4ポート x 3、前面にUSB-Cポート x 2。互換性があるので実際はUSB-Cポート x 5といった感じです。Mac mini(2018)ではUSB-A x 2、USB-Cポート(Thunderbolt 3) x 4だったので、ポートの数は1つ減ったことになります。

USB-Aが完全になくなったのは時代を感じますね。自分の使っているデバイスはUSB-Aのものが結構あるので、Ankerの変換アダプタを買いました。問題なく使えています↓

ポート類で意外だったのは、3.5mmヘッドフォンジャックが付いていたこと。しかも前面に。なんとなくAppleの思想なら取り除きそうな気がしましたが、前面に付けるということは必要性を感じているんでしょう。

Mac mini(2024)を取り上げる多くの記事でデメリットとされているのが、底に配置された電源ボタン。押しにくいということらしいです。


背面側に電源スイッチ

ただほとんどの人は、スリープするか再起動するかの二択で、電源ボタンを押すことなんてほぼないと思うので、デメリットといえるか微妙です。
というかそれらの記事も、デメリットらしいデメリットがないこのマシンにおいて、なにかしらピックアップしないと記事として成立しないので、無理やり電源ボタンを槍玉にあげているだけのような気もします。

移行アシスタント

Mac買い替え時、昔はまっさらな状態から使うためにわざわざソフトを一からインストールしていたのですが、さすがに入れているソフトの数が増えすぎて、そんな作業をする気になれないので、移行アシスタントを使います。

ただ今回、旧パソコンの電源が入らず直接データのやり取りができないので、Time Machineのバックアップから移行することに。幸運にも壊れる10日ほど前にバックアップを取っていたので、そこまで悲惨なことにはならずに済みました。まあちょっと挙動が怪しいなとは感じていたんですよね。固まりやすくなったりとか。

Time Machineバックアップを使って移行

Macの初期設定を進めていくと、途中で「移行アシスタント」の項目が出てくるので、Time Machineのバックアップが入っているハードディスクをつないで、そこからデータを転送します。
500GBパンパンに入っていたのですが、1時間20分ほどで終了しました。意外と早かったです。

DTMソフトの移行

DTM系のソフトについてです。
移行したことでアクティベーションが切れるなどいくつか不具合がありましたが、基本的には再インストールすることで使えるようになりました。今は多くのメーカーが、自社のソフトやプラグインをまとめて管理できるソフトを提供しているので、それにアクセスできればなんとかなります。

ただ残念ながら、iZotope Ozone 5とOzone 8 Advancedが使えなくなってしまいました。いろいろ調べてやってみたのですが……。
Ozone 8 Advancedに関しては、正直バージョンが上のOzone 11 Advancedより音が好みでよく使っていたので、結構な痛手でした。iZotope Product Portalには表示されているんですけどね。まあしょうがないです。

一番手こずったのがiLOK関連です。いくつかのエフェクトとIvoryII Grand Pianosのライセンスを、USBキーではなく旧Mac本体にオーソライズしていたのですが、このライセンスを移行するには、一度旧Macでディアクティベートして使用可能台数を回復させる必要があります。ところが旧Macはもはや電源が入らず、ディアクティベートができないため、新Macでそれらのエフェクトがオーソライズできません(Ivoryは使用可能台数が2台だったのでオーソライズできました)。

エフェクトのほうは使えなくてもいいかな、と思っていたのですが、Cubaseを起動するたびにエラーメッセージが出るので対処することに。

結局お問い合わせから、これこれこういう事情で旧パソコンにアクセスできないので、そちらでアクティベーションを解除していただけますか、という内容のことを英語で送って、ディアクティベートしてもらいました。
ちなみにIvoryは割とすぐ解除されたのですが、エフェクト(Symphony3D等)は3週間くらいかかりました。

DTM関連の動作

Core i5(第8世代)から一気にM4になったわけで、Cubaseとか一瞬で立ち上がるんじゃないか、とワクワクしていたのですが、正直そこまでの変化はありませんでした。いや、速くはなったんですけどね。ソフトシンセの音色の切り替えも同様に、速くはなったものの瞬時というほどでもなく。

Mac miniは、インテル製CPUからM1になったことで飛躍的に性能が向上したと言われています。そこからM2に進化し、最新版のM4へ。さらに今回はメモリも16GBから24GBにアップ。こいつはやっべーぞ、と期待値がマックスまで上がった結果、そこまで速くもないんかー、という感想になってしまいました。

旧Mac miniを購入した時の記事を見てみたら、

これだけパソコンの性能がアップしたからには一瞬で立ち上がるはず、と思ったのですが、わりと時間がかかります。

と書いてありました。毎回同じことを思うようです(笑

ただ書き出しに関しては明らかに早くなりましたし、iZotopeのノイズ除去系の重いプラグインもストレスなく使えるようになりました。
プラグインを各トラックに大量にインサートした際に、DAWが落ちるんじゃないか、という不安がなくなったのは大きいです。安心して曲作りができます。

パソコンのスペックについては、正直Mac mini(2018)の時点で、曲作りに関してそれほど不便さは感じていませんでした。パソコンの性能が大きく底上げされた現在、DTMというジャンルにおいてはそこまで高スペックなものは必要なくなったと思います。今時の標準的なスペックのパソコンで、特に不便なく曲作りができるはず。ただメモリは16GBは積んでおいたほうがいいと思いますけどね。

今の時代、スペックが必要になるのは音楽制作ではなく動画制作です。
最近ダビンチリゾルブを使って動画制作をちょこちょこやっているのですが、Mac mini(2018)だともたつきまくっていた映像処理が、Mac mini(2024)だとサクサクできるようになりました。まあ無印M4だと4K以上の動画になるとどうなるかはわかりませんが(まだ試していない)。

排熱はすばらしい

今回一番いいなと思ったのは排熱。本体が全然熱くなりません。Mac mini(2018)は本当に爆熱だったので。
Mac mini(2018)は買ってから6年弱くらいで壊れてしまったのですが、熱によるダメージはかなりあったと思います。これ本当に大丈夫か? と思うほど熱々だったので。

過去記事には以下のような記載がありました。

ひとつ心配な点としては、負荷の高そうな作業をしたときに本体の発熱が結構あることです。
かなりコンパクトなボディなので、排熱に関しては不安ありです。夏とか大丈夫かな。

大丈夫ではなかったです(笑

それと比べると、Mac mini(2024)は多くの処理をしている時でもほんのり暖かいくらいで、本体へのダメージは少なく長持ちしてくれそうです。静音性も抜群で、音がほとんどしません。ミニPCでこの排熱と静音性はすばらしいと思います。

まとめ

今回の記事タイトルが「DTM用にMac miniを買ってみた」ということで、DTM用途としてM4チップのMac mini(2024)がどうなのかを述べたいと思います。

ズバリまったく問題なく使えます。

曲作りのアプローチは人それぞれなので断言するのもあれですが、自分の曲作りのスタイルだと、トラック数やインサートするプラグインの数、重さにおいて、制限やストレスを感じることはなかったです(CubaseでiZotopeのエフェクト、Native Instruments KontaktやMassive、Steinberg HALion、Synthesizer V等を使用)。

正直、一番安い94,800円のバージョンでも十分だと思います。ストレージが足りなくなったら外付けSSDを追加すればいいだけですしね。

Mac mini(2024)は、DTMだけでなく映像分野でも十分力を発揮しますし、今後Appleが展開していくApple Intelligenceにも対応しています。
クリエイティブな趣味や情報収集・発信のベースとなるパソコンとして、オススメできる一台です。

Mac miniは、ディスプレイを別途購入する必要があります。
せっかくならApple純正のStudio Displayを買いたいところですが、お値段が219,800円から……。
個人的にはBenQのMac向け4Kモニター、MA270Uが気になっています。