以前、GarageBandの使い方 作曲しながら覚えよう、という記事で、Apple Loopsを使ったサンプル曲を作ったのですが、今回はそこで使われているエフェクトやフィルインについて解説していきます。
エフェクトの基本的な設定方法については下記の記事をチェックしてください。
サンプル曲
AutoFilter(オートフィルター)の使い方
サンプル曲のイントロで使用しているApple Loopsは「Mass Appeal Layers 01」。
イントロで使用というか、最初から最後まで鳴らしっぱなしの、この曲のメインとなるサンプルです。
イントロでは、音がこもった状態から徐々に明るくなっていきますが、このパートにはAutoFilter(オートフィルター)をかけています。特定の周波数だけを通過させることで、特徴的なサウンドにすることができるエフェクトです。このフィルターはオートなので、フィルターが自動で変化していきます。
イントロだけでなく、たとえば間奏や大サビでこれを使って、最後のサビにつなげていく、という使い方もできます。
ここではプリセットの「Constant Rise Four Bars」を選択。
・Resonance(レゾナンス): カットオフで設定された付近の音を強調する。
・Intensity(インテンシティ): 変化の強さ。値を下げるとフィルターの時間的変化が小さい。
・Waveform(ウェーブフォーム): 変化の方向(上昇、下降、ランダム等)
・Rate(レート): 変化の単位
イントロは8小節なので、Rateは8 Barsにしています(Bar=小節)。8小節でちょうど1周するようにフィルターがかかります。
デフォルトの状態のMass Appeal Layers 01にこのオートフィルターをかけると、最初のこもった音のときに低音がモコモコしてしまうので、EQで低域をカットしてあります。
同じApple Loopsながら、イントロとそのあととでトラックを分けていますが、このように特定の部分でだけエフェクトを使いたい場合は、トラックを分けたほうが利便性が高いです。
ブレイクを作る(その1)
このサンプル曲では、イントロが終わりメインのパートがはじまる直前に、1小節のブレイク(演奏が一瞬止まること)を入れています。
リスナーの耳を引きつけるこの手法は、多くの曲でよく使われています。特にサビ前に用いられることが多いです。
ここでは演奏を止めるだけでなく、そこに英語のスピーチとドラムループの一部分を組み合わせて装飾しています。
英語のスピーチは「Discovery Nice to be in orbit」で、ドラムは「Game Over Beats 01」の最後の部分です。
この辺はもうパズルみたいなものなので、Apple Loopsをざっと聴いて、使えそうなところをピックアップするという感じです。
同じフレーズを繰り返して最後に変化を加える
Mass Appeal Layers 01だけをループさせていると単調になるので、Ah〜という声ネタ(Endless Streets Vox Atmospheres 02)を薄く入れています。
Endless Streets Vox Atmospheres 02には、Ah〜のあとに続くメロディがあるのですが、最初の3回はそこをカットして、サビ前の4回目のときにその部分を付け加えます。
この、3回繰り返して4回目でちょっと変える、というのは音楽制作全般においてよく使われるパターンです(2回繰り返して3回目に変化のパターンもあり)。
一般的な曲では4小節や8小節でひと区切りになることが多いので、その次につなげるための変化というわけです。
ブレイクを作る(その2)
ここをブレイクというのかオカズというのかフィルインというのか正確にはわかりませんが、サビの直前にアクセントを加えるパートです。凝り出すとものすごく時間がかかりますが、作っていて楽しい部分でもあります。こういうところに力を入れると曲の完成度が高まります。
ドラム部分は、ブレイクその1で使ったGame Over Beats 01の最後の2拍を使用(画面一番下のイベント)。
メインサンプルのMass Appeal Layers 01(上から3つめのトラック)は、サビの2拍前のところでカットして、別トラック(上から2つめ)に移動させ、オートフィルターをかけています。
オートフィルターのプリセットは「Rhythmic Mod」で、WaveformはDown、Rateは音の変化が一番しっくりきた1 Barにしました。
一瞬音をこもらせてブレーキをかけた感じにすることにより、その直後にくるサビの開放感が強調されます。
あとがき
Apple Loopsは高品質な素材がそろっているので、ただ並べるだけでもそれなりの曲ができあがりますが、そこにプラスして、曲を装飾するディテールに力を入れると、曲のクオリティーがぐっと上がります。
今回の記事で使えそうなところがあったら、ぜひ取り入れてみてください。