夜中にテレビをザッピングしていると、ランク王国のランキンGというコーナーが目にとまりました。
『原宿の女性100人に聞きました – おうちで音楽何で聴く?』
結果は以下の通りです。
・イヤホン・ヘッドホン33%
・スピーカー9%
・コンポ7%
・その他11%
スマホが40%……まじかっ! と軽く衝撃を受けました。
イヤホンが2位にあるので、これはスマホのスピーカーから直接聴いているのが40%ということです。
正直スマホのスピーカーで音楽を聴くという発想が今までなかったので試しに曲を流してみましたが、ポータブルラジオのような感じでとてもじゃないけれどいい音とはいえませんでした。
スマホ時代に求められる音作り
この環境が多数を占めるなら、やっぱり音圧をがっつり上げた音作りをしなければいけないよな〜と思いました。音の解像度が低く、大きな音を鳴らせないようなスピーカーだと、音圧を上げてすべての音が前に出てはっきり聴こえるようにすることは有効だからです。
ただこの環境だと微妙な定位やボリュームの調整などは完全に無意味ですよね。メインメロディーであるボーカルがしっかり聴こえればそれでOKみたいな。
音を作り込んでいるクリエイターやエンジニアにとっては辛い状況になっています。
世の中のさまざまなものが高品質・高性能化していくなか、人々の音楽鑑賞環境が反比例しているというのは皮肉ですね……なんていうと、どんな環境だろうとその人が音楽を楽しんでいるならそれでいいじゃないかという向きがあるかもしれません。
実際その通りなのですが、スマホで聴いているならBluetoothで聴けるスピーカーを、パソコンで聴いているなら外付けのパワードスピーカーを、イヤホンやヘッドホンで聴いているならワンランク上のものを、そんなふうに、なにも高級なアンプやスピーカーでなくても少しでもいい音を求めることによって、同じ曲を聴いてもその感じ方がぐっと変わって、目の前に新たな情景が広がっていくような音楽体験ができるのではないかと思っています。
まあ偉そうなことを言っておきながら、自分もたいした環境で聴いているわけではないんですけどね(笑
こうした状況を変えるには、すごく消極的な考えかもしれませんがスマホ自体の高音質化を待つしかないのかなと思っています。スマホで音楽を聴く人が意外と多いということがわかれば、携帯カメラの高性能化と同じようにスピーカーの品質を上げたり、専用スピーカーを付属してそれを売りにするメーカーが出てくるかもしれません。
なんだか少し悲観的な内容を書いてしまいましたが、それでもいい音で音楽を聴きたい人はいつの世も必ずいますし、制作者側は変わらずにいい音を作っていくことが求められているのだと思います。
どんな環境で聴かれていたとしても、少しでもいい音で作ればその分反映されるわけですから。
老舗メーカーJBLのワイヤレスポータブルスピーカー。
小さいのにパワフルなサウンド。コストパフォーマンスの高さも魅力。