先日歌手のtohkoさんが、深夜のバラエティ番組に出演していました。
素のtohkoさんがどんな感じなのか今まで知らなかったのですが、天然ともまた違ういい意味での「変」な感じがめちゃくちゃおもしろかったです。そのうちさんま御殿とかに出そうな感じが。
珍しい構成のデビュー曲「BAD LUCK ON LOVE」
tohkoさんといえば、やはりなんといってもデビュー曲の「BAD LUCK ON LOVE ~BLUES ON LIFE~」です。伸びのある高音と少女っぽさを内包する独特の声質が魅力で、ひとつひとつの音符を丁寧に歌うスタイルが印象的でした。
ただこの曲の難点は、メロディーはキャッチーなのにタイトルが全然キャッチーじゃないというところです(笑 もうちょっと覚えやすいタイトル案はなかったのでしょうか。
ちなみに歌詞も意味がよくわからないです。BAD LUCK(不運)とタイトルに入っていますし、失恋に関することかなという程度で。
タイトルでいうとON LOVEのONをどう捉えるかというのも悩みどころです。~の上に? ~による? それとも~をがんばってという意味のGood Luck on~のもじり?
作詞のマークパンサーさんに聞かないとわからないですね。
まあタイトルや歌詞のことは置いておいて、問題は曲の中身です。この曲はJ-Popではほとんど見かけることのない珍しい構成になっています。
一般的な曲の構成は、
といった感じのものが多いです。
一方、BAD LUCK ON LOVEでは、
となっています。34秒からの「軽く気になって~」の部分をBメロにしてもよかったのですが、Bメロはやはりサビ前のブリッジという印象があるので、ここはA´メロにしました。
この変則的な構成により、この曲は最初のサビ(だ〜れもいない〜)に到達するまでに1分54秒かかります。曲全体の長さが3分31秒なので、曲の半分以上が過ぎてようやくサビが来ることになります。フックのあるメロディーをなるべく早い段階でリスナーに届けようとする今どきの楽曲とは大きく異なるコンセプトだといえます。
そして最初のサビのあと、Bメロをはさんでもう一度サビに行って曲は終わります。
上にあげた一般的な曲の構成が、4、5分の曲の中に波のように盛り上がり(サビ)を三度持ってくるという手法を使っているのに対し、BAD LUCK ON LOVEの場合は同じ波でも、最後のサビに向かってじわりじわりと高まっていく大波という印象を受けます。
ところでtohkoさんといえば小室プロデュースというイメージがありますが、このデビュー曲は作曲が日向大介、作詞がマークパンサーになっていて、小室哲哉は本来の意味でのプロデューサーポジションにいたっぽいです(小室哲哉が作詞作曲を手掛けるのは三枚目の「ふわふわ ふるる」から)。
そんなtohkoさんですが、今年6年ぶりにニューシングル「KEEP IN MIND」をリリースしました。
「原点回帰したサウンド」という紹介通り、初期のころにリリースした楽曲をイメージさせるような、メロディアスな曲がそろっています。要チェックです。
デビュー20周年を記念した19年ぶり(!)となるニューアルバム。
「KEEP IN MIND」も収録しています。
デビュー曲「BAD LUCK ON LOVE ~BLUES ON LIFE~」